公正証書遺言の費用は行政書士に頼むといくら?財産額別シミュレーション付き


公正証書遺言を作りたいけれど、「費用はいくらかかるんだろう?」と気になっていませんか?

私は現在、行政書士事務所の開業に向けて準備をしている身です。まだ開業前ではありますが、だからこそ「依頼者の方が最初に何を知りたいか」を真剣に考えながら、一つひとつ調べています。

公正証書遺言の費用もそのひとつでした。公証人への手数料、証人の費用、行政書士への報酬……種類が多くて、最初は全体像がまったくつかめませんでした。調べていくうちに、「これは整理して伝えなければ、依頼者の方も同じように困るな」と感じたのが、この記事を書いたきっかけです。

結論からお伝えすると、行政書士に依頼した場合の総額は、おおよそ15万円〜32万円程度が相場です。ただし、財産の額や相続人の数によって変わります。

正直なところ、私自身は「そこまで財産があるわけでもないし、相続関係も複雑じゃないし」と思う側の人間です。でも逆に言うと、財産がある方や、相続関係がちょっと複雑だという方には、専門家に頼む価値は十分あると思っています。

開業準備中の私が調べてまとめた内容ですので、至らない点があればご容赦ください。それでも、「自分の場合はいくらかかるか」の目安が、読み終わる頃にはつかめるはずです。ぜひ最後までお読みください。


目次

公正証書遺言の費用の内訳|3つの項目をわかりやすく解説

公正証書遺言の費用は、大きく次の3つです。

  1. 公証人手数料(公証役場に支払う費用)
  2. 証人2名の費用
  3. 必要書類の取得費用

「思ったより種類が多いな」と感じるかもしれません。私も最初そう思いました。それぞれ順番に見ていきましょう。


① 公証人手数料(公証役場に支払う費用)

公正証書遺言は、公証役場の公証人が作成します。そのため、公証人への手数料が必ずかかります。

公証人手数料は財産額で変わる|早見表で確認

公証人手数料は、遺言で動かす財産の金額(目的価額)によって変わります。公証人手数料令に基づく目安は以下のとおりです。

目的価額手数料
50万円以下3,000円
50万円を超え100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下13,000円
500万円を超え1,000万円以下20,000円
1,000万円を超え3,000万円以下26,000円
3,000万円を超え5,000万円以下33,000円
5,000万円を超え1億円以下49,000円
1億円を超え3億円以下4万9,000円に超過額5,000万円までごとに1万5,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下10万9,000円に超過額5,000万円までごとに1万3,000円を加算した額
10億円を超える場合29万1,000円に超過額5,000万円までごとに9,000円を加算した額

ここで注意が必要なのは、財産の「総額」ではなく「誰に・いくら渡すか」の単位で計算するという点です。各相続人への相続分ごとに手数料を計算して、合算します。

また、財産の総額が1億円以下の場合は、上記に1万3,000円が加算されます(遺言加算)。

相続人が複数いる場合の手数料計算|具体例つきで解説

たとえば、配偶者に3,000万円・長男に1,000万円を相続させる遺言の場合はこうなります。

  • 配偶者分:26,000円
  • 長男分:20,000円
  • 遺言加算:13,000円
  • 合計:59,000円

財産が多いほど、相続人が多いほど、手数料は上がります。最初は複雑に感じますが、一つひとつ計算すれば難しくはありません。当たり前といえば当たり前ですが、「財産総額」ではなく「誰にいくら渡すか」の単位で計算するというのは、私も最初ちょっと引っかかったところでした。


② 証人2名の費用

公正証書遺言の作成には、証人が2名必要です(民法第969条第1項第1号)。誰に頼むかによって費用が変わります。

行政書士などの士業に依頼する場合

1名あたり5,000円〜1万円程度が目安です。2名分で1万円〜2万円程度かかります。

公証役場に紹介してもらう場合

公証役場によっては証人を紹介してくれます。費用は役場によって異なりますが、こちらも1名あたり5,000円〜1万円程度が目安です。

知人にお願いする場合

信頼できる知人や友人に頼めば、費用はかかりません。ただし、推定相続人(相続を受ける予定の方)や受遺者は証人になれないという制限があります。これは法律で決まっていることなので、注意が必要です。「身内に頼めばいいか」と思いがちですが、そうはいかない場面があります。


③ 必要書類の取得費用

公正証書遺言の作成には、いくつかの書類が必要です。

戸籍・住民票などの実費の目安

書類費用の目安
遺言者の戸籍謄本450円
遺言者の印鑑証明書300円前後
相続人の戸籍謄本450円(1通)
不動産の固定資産評価証明書300円前後
不動産の登記事項証明書600円

一つひとつは安いのですが、種類が多いので事前に確認しておくと安心です。合計で数千円〜1万円程度が目安です。


【財産額別】公正証書遺言の費用シミュレーション|3つのケースで試算

実際にどのくらいかかるのか、具体的なケースでシミュレーションしてみます。行政書士に依頼した場合の報酬も含めた総額の目安です。

※行政書士の報酬は事務所によって異なります。あくまで参考としてお読みください。


財産1,000万円・相続人1人のケース

  • 公証人手数料:20,000円+遺言加算13,000円=33,000円
  • 証人費用(士業2名):20,000円
  • 必要書類取得費用:5,000円程度
  • 行政書士報酬:80,000円〜200,000円程度
  • 総額目安:約14万円〜26万円

財産3,000万円・相続人2人のケース

  • 公証人手数料:(配偶者2,000万円分26,000円+子1,000万円分20,000円)+遺言加算13,000円=59,000円
  • 証人費用(士業2名):20,000円
  • 必要書類取得費用:8,000円程度
  • 行政書士報酬:80,000円〜200,000円程度
  • 総額目安:約17万円〜29万円

財産5,000万円・相続人3人のケース

※配偶者2,500万円・子A1,500万円・子B1,000万円を相続させる場合の例

  • 公証人手数料:(配偶者2,500万円分26,000円+子A1,500万円分26,000円+子B1,000万円分20,000円)+遺言加算13,000円=85,000円
  • 証人費用(士業2名):20,000円
  • 必要書類取得費用:10,000円程度
  • 行政書士報酬:80,000円〜200,000円程度
  • 総額目安:約20万円〜32万円

※上記はあくまでも目安です。財産の種類・内容・相続人の構成によって実際の費用は変わります。正確な金額は、公証役場または行政書士にご確認ください。


公正証書遺言を行政書士に依頼する費用|報酬の相場と内訳

行政書士に公正証書遺言を依頼する費用の全国相場

行政書士の報酬は自由化されており、事務所によって異なります。一般的な目安は以下のとおりです。

サービス内容目安
遺言書作成基本報酬80,000円〜200,000円程度
複雑な内容(資産多数・相続人多数)基本報酬に上乗せ
出張対応(公証役場への同行など)別途日当・交通費

「高い」と感じるかもしれません。私も最初そう思いました。でも、報酬に何が含まれているかを知ると、納得感が変わります。

報酬に含まれるサービスの内容

行政書士に依頼するということは、単に書類を作ってもらうだけではありません。

遺言書の原案作成

「誰に・何を・どのくらい渡したいか」をヒアリングし、法的に有効な遺言書の原案を作ります。何から話せばいいかわからなくても大丈夫です。一緒に整理していきます。

公証役場との打ち合わせ・調整

公証役場との事前調整や日程の調整も代行します。慣れていないと、公証役場とのやり取りで戸惑う場面が出てきます。ここを任せられるのは、思っている以上に助かります。

必要書類の収集サポート

戸籍・住民票・固定資産評価証明書などの取得方法をご案内します。必要に応じて代行取得も可能です。書類が多いので、ここでつまずく方は少なくありません。


自分で作成vs行政書士に依頼|費用・リスク・メリットを比較

自分で作成した場合と行政書士に依頼した場合の費用比較

項目自分で作成行政書士に依頼
公証人手数料かかるかかる
証人費用知人に依頼すれば0円も可事務所が手配(有料)
書類取得費用かかるかかる(代行可)
行政書士報酬不要80,000円〜
総費用目安5万円〜10万円15万円〜32万円

費用だけ見れば、自分で作成するほうが安くなります。でも、費用だけで判断するのはちょっと待ってください。


自分で作成する場合に起こりがちなリスク

公証人は内容のアドバイスをしてくれない

公証人の仕事は、「遺言書の形式が正しいかどうかを確認すること」です。「この内容で家族がもめないか」「遺留分を侵害していないか」といった内容面のアドバイスは、公証人の役割ではありません

遺言書の内容に問題があっても、公証人が指摘してくれるとは限りません。法律で決まっている役割分担なので、これは仕方のないことです。逆に言うと、「内容を一緒に考えてほしい」という方には、行政書士に相談する意味があります。

書類の不備で手続きがストップするケース

必要書類に不足や不備があると、公証役場での手続きが止まってしまいます。何度も役場に足を運ぶことになれば、時間も手間も相当かかります。「書類の準備くらい自分でできる」と思っていても、種類が多いので、意外と落とし穴があります。


行政書士に公正証書遺言を依頼する3つのメリット

  1. 内容の整理・確認ができる:「誰に・何を・どう渡すか」を一緒に整理し、遺留分などのトラブルリスクを事前に確認できます。
  2. 書類収集・調整を任せられる:必要書類の収集や公証役場との調整を代行するため、手間が大幅に減ります。
  3. 安心感が違う:「ちゃんと有効な遺言書ができるか」という不安を解消しながら進められます。この安心感は、費用を払う価値があると思っています。

遺言なら、弁護士に頼まなくても行政書士で事足りるケースがほとんどです。もちろん、家族間で紛争が予想されるような場合は弁護士に相談するのが適切ですが、「円満に、きちんと残したい」という方には、行政書士は十分な選択肢だと思っています。


公正証書遺言を行政書士に依頼する流れ|相談から完成まで4ステップ

初めての方でもわかるよう、ステップごとにご説明します。

ステップ1:まず相談・ヒアリング

財産の内容・家族構成・相続させたい意向などをお聞きします。「何から話せばいいかわからない」という方がほとんどです。それで構いません。一緒に整理していきましょう。

ステップ2:遺言書の原案作成

ヒアリング内容をもとに、法的に有効な遺言書の原案を作成します。内容を確認していただき、修正があれば対応します。

ステップ3:公証役場との調整・日程確定

原案を公証役場に提出し、内容の確認・修正・日程調整を行います。この手続きは行政書士が代行します。

ステップ4:公証役場での署名・押印

公証役場にて、公証人・証人2名の前で遺言の内容を確認し、署名・押印を行います。これで公正証書遺言が完成です。


よくある質問(Q&A)

財産が少ない場合でも、公正証書遺言は必要ですか?

必ずしも必要とは言えません。正直なところ、財産が少なければ自筆証書遺言で十分なケースもあると思っています。ただ、自筆証書遺言には紛失・偽造のリスクや、家庭裁判所での検認手続きが必要といったデメリットもあります。「どちらが自分に合っているか」もご相談いただければ、一緒に考えます。

遺言のことを家族に話しにくいのですが、一人で相談しても大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。「家族に死を連想させたくない」「相続の話を切り出しにくい」という方は少なくありません。まずはご本人だけでご相談いただき、内容が固まってから家族に伝えるという進め方もできます。一人で抱え込まず、気軽にご連絡ください。

西宮・尼崎以外に住んでいますが相談できますか?

ヒアリングや遺言書の原案確認など、オンラインでできることは遠方の方にも対応する予定です。ただ、公証役場への同行については、現状では西宮・尼崎エリア外の方へのご対応が難しい状況です。「オンラインで進められるところまで一緒に準備して、公証役場には一人で行く」という形でよければ、ぜひご相談ください。


まとめ|公正証書遺言の費用を正しく理解して、後悔しない準備を

この記事のポイントを3つに整理

① 費用の総額は財産額・相続人の数で変わる

公正証書遺言の費用は「公証人手数料+証人費用+書類取得費用」の合計です。一律ではないので、まず自分のケースで概算を出してみることが大切です。

② 行政書士への依頼は費用対効果が高い

自分で作成するより費用はかかります。でも、内容の確認・書類収集・公証役場との調整を任せられる安心感は大きいです。遺言書は「一度作ったら終わり」ではなく、家族の将来を左右する書類です。費用を惜しんで後悔するより、きちんと準備するほうが結果的に得だと思っています。

③ 自分で作るリスクは費用以上のコストになりうる

公証人は内容のアドバイスをしてくれません。遺留分の問題や記載の漏れがあった場合、家族間のトラブルに発展するリスクがあります。そのリスクを避けるためのコストと考えれば、専門家への依頼は決して高くありません。


「まずは相談だけ」でも大丈夫です

知人から「突然家族が亡くなって、遺言もなくて大変だった」という話を聞いたことがあります。こういう話は、聞いた瞬間は「大変だったね」と思うのですが、よく考えると他人事ではありません。

終活というと60代・70代のイメージがありますが、40代になったら遺言のひとつも書いておいて損はないと思っています。せめてエンディングノートだけでも。

「まだ遺言が必要かどうかもわからない」「費用の目安だけ知りたい」という段階でも、もちろん大丈夫です。大切なのは、「いつか考えよう」と後回しにしないことだと思っています。

遺言書は、元気なうちに、余裕を持って準備するのが一番です。


【西宮・尼崎エリアの方へ】開業準備中につき、もうしばらくお待ちください

現在、2026年夏の開業に向けて準備を進めています。

開業後は、西宮・尼崎エリアを中心に、公正証書遺言の作成サポートを承る予定です。「費用の目安だけ聞いてみたい」「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。


こんな方に、開業後ぜひご連絡いただきたいです

  • 西宮・尼崎周辺にお住まいで、遺言書の作成を考えている方
  • 費用の目安を事前に知っておきたい方
  • 家族に迷惑をかけずに、きれいに相続を終わらせたい方

逆に言うと、すでに家族間でトラブルになっていたり、訴訟になりそうな案件は、弁護士に相談されることをおすすめします。行政書士にできることとできないことは、正直にお伝えします。


開業したらこんな流れでサポートします

  1. お問い合わせフォーム/お電話でご連絡
  2. 日程調整(対面〈西宮・尼崎エリア〉またはオンラインどちらも対応予定)
  3. 初回相談(約60分) 費用の目安や必要な手続きをご説明します

秘密厳守・売り込みは一切しません

「相談したら契約させられそう」という心配は不要です。必要かどうかも含めて、一緒に考えます。開業情報はホームページでお知らせしていきますので、ぜひチェックしてみてください。


著者事務所情報

松井純子行政書士事務所(2026年8月下旬開業に向けて準備中)
https://matsui-firm.com/
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